長生堂製薬 業務停止命令を受けたジェネリックメーカー

長生堂製薬本社工場(長生堂製薬HPより)
工場|ジェネリック医薬品の長生堂製薬 (choseido.com)

はじめに

 ジェネリックメーカーの過去の品質問題を振り返ることで、このような問題を二度と繰り返さないためにどうすればいいか考える一助としたいと思い、この記事を執筆します。過去の失敗に目を向けることでこれからの未来を一緒に考えていきましょう。

長生堂製薬が受けた行政処分

製造業に対する業務停止処分:18日間(川内工場)、29日間(本社第二工場)、31日間(本社工場)

製造販売業に対する業務停止処分:31日間

 これらは2021年10月11日付けで出されており、2021年に相次いで発覚した後発医薬品業界の不祥事の中では後のほうですね。

 製造業に対して業務停止命令を受けると当然一切の生産活動が不可能になります。(一部、欠品によって医療分野に重大なダメージを与えるリスクがあると判断された製品だけは特別に製造を許される場合もあります。)

 製造業に対しての業務停止命令は該当する工場で製造できなくなるだけですが、製造販売業に対しての業務停止命令は他社に製造を委託している製品にまで影響が及びます。製造業に対しての処分はその工場を改善するための時間を与えるという目的にもとれますが、製造販売業に対しての処分は不正に対してのペナルティの側面がより強いように思います。

違反内容

安定性モニタリングの結果が規格を逸脱していると知りながら、回収や工場に
対する必要な措置等を講じなかったこと。

当社が製造する製品について、承認書と異なる製造方法による製造を行ったこ
と。また、虚偽の製造指図書、製造記録、出納記録及び試験成績書を作成し、
製造管理の結果を適切に品質部門に報告しなかったこと。

下記調査報告書より抜粋
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 上記は私が特に重大な違反であると感じた内容です。どれも患者様の命を危険にさらす行為であり、またそれを知りながら隠ぺいしたという点で絶対に許容されない行為です。

 調査報告書を読むと様々な違反行為が記載されていますが、その中でも私が特に衝撃を受けた製造方法は次のようなものです。

医薬品 J
(概要)
混合工程において香料の l-メントールについて、「整粒品の一部及び粉砕機(ハ
ンマー型)にて粉砕した l-メントールを容器内で混合する」と規定されているのに
対し、粉砕機を使用せずに湯煎により溶解して混合している。
(理由)
l-メントールは溶解しやすく、粉砕機(アトマイザー)を使用すると、粉砕機内
に付着し、作業効率が悪いため。
(時期)
2018 年 6 月から(本社第二工場に製造を移管する以前に、本社工場において、
2007 年 10 月から 2015 年 2 月まで同様の製造方法が行われていた)

下記調査報告書より抜粋
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 他の違反は設備のパラメーターを変えたり作業を途中で終わらせたりしているものが多く、決められた設備を使用している分まだできるだけ承認内容に近づけようという気持ちを汲み取れます。しかし、この違反に関しては完全に承認書の内容を守る気がないです。L-メントールを粉砕しなければいけないのに粉砕機を使用せず湯銭により溶解するのでは全く別の製造方法です。粉砕した場合は固体ですが、溶かしたら液体です。液体か固体かでその後の混合工程において整粒品の表面にL-メントールが吸着する効率が全く変わるため、品質影響がないはずがないです。本当にひどい承認書齟齬です。

 次回も引き続き、長生堂製薬の問題について書こうと思います。

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