日医工 業務停止命令を受けたジェネリックメーカー

はじめに

 ジェネリックメーカーの過去の品質問題を振り返ることで、このような問題を二度と繰り返さないためにどうすればいいか考える一助としたいと思い、この記事を執筆します。過去の失敗に目を向けることでこれからの未来を一緒に考えていきましょう。

日医工が受けた行政処分

製造業に対する業務停止処分:32日

製造販売業に対する業務停止処分:24日

 これらは2021年3月5日付けで出されたものです。

日医工が犯した違反行為

 違反行為発覚のきっかけになったのは令和2年2月に富山県およびPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)が合同で行った無通告査察です。日医工はこれまで事前に通告があった査察ではデータの偽装や隠ぺいによって違反の発覚を逃れていましたが、この無通告査察によってGMP違反の疑いが判明しました。その後の調査で次の薬機法違反が確認されました。

1.承認書で規定された製造方法と異なる方法で製造・出荷

2.不適切な手順に基づき品質試験を実施

  どちらも本来は品質試験などの規格に不適合となるようなものを無理やり適合させるために行われておりました。逸脱が起こったら承認書に記載されていなくても再乾燥や再打錠を行い品質試験に適合するようにしたり、正当な理由もないのに繰り返し試験をして適合させたりしていました。

不正を生んだ企業風土

「現場では欠品を避けることが絶対で、法令遵守の意識が不足していた。設備投資は進めてきたが現場にかなりの負担があり、社員に対しての教育も不十分だった」と田村社長は会見で釈明した

後発薬大手、日医工が「製造不正10年」の唖然 ワンマン社長の売上高至上主義が招いた歪み | 医薬品・バイオ | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)

 やはり日医工も出荷に追われて無理に生産計画を達成するために不正を行ったいたことが分かります。日医工はジェネリック医薬品市場の拡大とともに買収を繰り返しながら急成長してきた企業であり、品目数は業界でも断トツで多かったです。しかし、企業の管理能力がその成長スピードに全く追い付いていなかったことで歪が発生したのでしょう。そして、田村社長自身がその現場の歪に目を向けることがなかったことも原因の一つといえます。

 しかし、私は日医工の社員が悪い部分を全て田村社長に押し付けすぎなのではないかとも思います。実際、調査報告書を見ても日医工では逸脱会議というものが開かれており、起こった逸脱の不適切な処理はそこで決定されていました。つまりはその逸脱会議に関わったQAや製造部長の責任もかなり大きいと思います。そして、偽装や隠ぺいなど誰が見てもおかしい作業をさせられながらもそれに従った一般社員もです。

 もちろん、この田村社長の責任は非常に重いです。しかし、田村社長が目立つだけに他の人間の責任にあまり目を向けられることがなく、この問題が収束してしまったように私は感じています。

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